第151章 彼女は脅された

有岡里穂は足早にエレベーターへ向かった。表示パネルに止まっている階を見上げ、目をわずかに沈める。

「西川安菜、誰とここで待ち合わせしてるの……?」

小さな独り言だったが、原口美愛には聞こえていた。

「とりあえず、待ってみよ」

里穂もその意見に頷き、ホテルのロビー脇にある喫茶店で席を見つけると、コーヒーと小さなケーキを2つ頼んで腰を落ち着けた。

時間が、じりじりと過ぎていく。エレベーター前は人が出たり入ったり、落ち着かない。

待ちくたびれた里穂が立ち上がり、美愛を見た。

「もういい。先に帰ろ」

その瞬間だった。

原口美愛が急に身を乗り出し、半分テーブルを越える勢いで里穂の腕を...

ログインして続きを読む